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人間、欲する所に与えられず、捨てるところに転がり込んでくるのか。
両手ふさがってる状態で欲しいものを取ろうとしたら、そりゃあ、何か捨てなきゃ駄目だよね、と
そんな人生の岐路にいる葛西です。今晩は(聞いてない)
結局、あらかじめ組んでいた予定を全て崩し、飛び込み人生を敢行。
自分が目指してる道だ、悔いのないように選ばないと。ただ、自分がしたこととはいえ、本当にタイミングが悪かったなーとそればっかりが悔しい。人様にも迷惑かてしまったし。

何言ってるか分からない内容で大変申し訳ないのですが、病んでることは確かかと…。
そんなヘタレ人間にとって、拍手はとっても有り難いですv
まだ本当に何もない所にぱちぱち叩いて下さってるのですから(ほろり)。うう…頑張ります!


へこたれてる時ほどネタが浮かぶ嫌な頭。
きっと現実逃避したいから。



戦人とは、こんな形で世の中を変えていくものか。

「旦那、お湯涌いたよ。茶碗貸して」
「ああ、頼む」

木をくりぬいただけの簡素な茶碗を受け取り、そこに携帯用の味噌玉を入れて湯を注ぐ。
まだ薄暗い早朝の空気に、味噌のかおりが漂う。

「はい、熱いから気を付けてよ」
「うむ」

言葉少なに旦那は答えると、湯気の登る茶碗を片手に握り飯を食べ始める。
何口か食べては味噌汁で流し込むのを繰り返した。

戦の前の旦那は嵐の前の海の様に静かだ。
内に力と狂気を蓄え、爆発するのを待っている。
普段もこれくらい静かだったら、俺も少しは楽なんだけどね。
…いや、これはこれで疲れるか。
四六時中殺気を放たれては身が持たない。

「やはりお館様はすごいな」

ぽつりと旦那が呟く。

「戦場で、このように味噌汁が飲めるとは思わなんだ。しかも、これがあるだけで兵の士気が違う」

乾燥させた味噌玉を各兵に持たせることを考えついたのは、ウチの大将が初めてだ。
旦那が言うとおり、冷たい握り飯だけより熱が通った味噌汁を飲むだけで、兵の士気が変わってくる。
特に、火があまり使えないこんな時/朝駆けの前は。
かく言う俺も、結構「これ」の世話になってる。

何というか俺は、戦と日常生活に区切りがないせいか、戦場に日常の延長がないとどうも調子が出ない。
目の前に立つ敵を殺すことと、旦那とこうやって味噌汁を飲むことは同じ次元の話で、
戦にしろ日常にしろどちらかが突出していると均衡が崩れる。

何の?って、俺の精神の。

血に染まりすぎれば外道に堕ち
平穏に狎れすぎれば刃が鈍る

だから、これくらいがちょうどいい。
刀を伏せ、息を殺し、殺気と狂気を内に秘めた開戦前の戦場で、同じく殺気を孕んだ旦那と朝飯を食ってるくらいが。
なんとも俺らしくあった。

大将もそうなのかね。
あの人の家は、親子で血なまぐさいことやってるから、俺と同じように日常と戦場が同居しているのかしれない(それはそれで気の毒ではあるけど)。
だから、戦人と言うのは、勝つためにこんなもの/食い物にまで知恵を巡らせるのかと少しだけ呆れる。
そう考えれば、今ある世の中のものはだいたいこの乱世から生まれたものなのだが。
メシも武器も国も、それを支える商売も交通も。
全部全部、「そこ」から出来てる。
まさに、戦の世だ。
その最たる者が、俺のような人間/忍なのだろう。

俺は人を欺き殺すために特化した存在
味噌玉は兵の士気を上げるために作られたもの

どちらも戦のための道具

だからこんなに親近感感じちゃうのかもね。


そんなことをぼんやりと考えながら、俺は冷たい握り飯を、自分の仲間である味噌汁で流し込んでいると、合図の法螺貝がなる。
もう、そんな時間か。

「行くぞ佐助!一番駆けだ!!」
「はいはい、付いて行きますよ旦那」

槍を構え、旦那は駆け出す。その表情は満面の笑み。
ああ、赤い鬼が笑う。

一気に味噌汁を飲み干して、急いで旦那の後を追う。
山の端に微かな光。
日が昇る。


さあ、仕事だ。



『戦場の烏』夜明け前





おやおや?思いつくままに書いていたら妙な方向に…
簡易味噌汁は信玄が始めたって言う話を聞いて、じゃあ佐助も幸村も勿論開戦前に飲んでるんだろうな~と妄想し、そこから戦の前の佐助の思考をつらつら書いていたらこんなものが出来上がりました。ヤマなしオチなしイミなしが見事にそろい踏み。
うん、自分そうとう病んでるな。早く寝なさい。

実は朝ご飯の話だったので、昼ご飯、晩ご飯と続けたいな~と思ったり(嫌なシリーズ)。
もしここまで読んで頂いていたら、とっても感謝です!!

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